終電を逃したら別世界だった。

他店舗に手伝いに行った日だった。宴会多数の日でお客さんの引きが悪く、労働法ギリギリの勤務時間まで働かされたおれは更衣室でスマホを見て恐ろしいことに気付いた。

現在時刻 0:20

終電 0:20

完全に見落としてた・・・。もうどうしようもない状況だった。ぼくがウサインボルトか、はたまた21世紀の青いたぬき猫型ロボットなら話は別だが・・・。

こんなくだらないことを考えてるうちに時刻は0:21を指していた。こうしてモブCは野に放たれたのである・・・・


色々考えたが自分の家までは遠すぎるので新宿付近にある友達の家に泊まらせてもらうことにした。

ちなみに現在地は三軒茶屋。名前だけは聞いたこともあるだろうオシャレな街である。やたら髪色の派手な若者とお金持ってそうなおじさんがたくさんいた。

終電の時刻はとっくに過ぎているだろうにある程度人通りがある。この辺は深夜まで空いてるオシャレなバーなどが多いので2軒目、3軒目を探す人たちなのだろう。

飲み屋街の通りをずっと登って行くだけなので道は簡単だが三軒茶屋から新宿辺りまで1時間半以上かかる。旅は道連れ世は情けという言葉もあるように、のび太にはドラえもん、サトシにはピカチュウがいたが俺のピカチュウ(スマホ)はすでに瀕死である(充電10%)。

どれだけ「ヘイ!タクシー!」と右手を上げて叫びたかったか・・・

だが俺の財布の中には野口英世さんが一人だけ…。せいぜい2本先の電柱辺りまでしかいけないことに気がついて上げかけた右手をそっと下ろした。

その目の前をいかにもお金持ちのマダムが犬を抱えて車に乗って去っていった。

世の中腐ってるなあ!?

そんなこんなで道をずーっと登っていくとだんだん人通りも減っていって店もポツポツとあるだけになった。

下北沢の手前辺りまでいくとまた綺麗なバーがポツポツとある。

そのバーの手前で1組の背の高いカップルが濃厚なイチャつきをしていたので(こんな大通りで大胆だなあ)と思いそっと横を通り抜けようとしたときに俺は見てしまった。

二人ともおっさんだった。

首がちぎれるんじゃないかという速度で顔をそらし、ありとあらゆる気配を消しておれは空気と一体化した。

圧倒的無の境地…!これがミスディ●クション…!

道中驚いたのはこれだけじゃなかった

真っ赤なコートに真っ赤なピンヒールを履いたおばさんが、電話ボックスの中で腰までポッキーの箱を積み上げながら何やら早口で喋っていたり、

「古い物買います」の商品棚に並べられた物の三倍は歳を取っていそうなおじいちゃんがでてきてパワフルにシャッターを閉めていった。

いつも昼間に見る光景と随分違っていた。

深夜のローソンでレジを打つおじさん、大量の空き缶を持ってヨロヨロと自転車に乗るおじさんの目は深く落ち窪んでいた。

異様な光景と貧富の差が浮き彫りにされたようなそんな感じをおぼえた。


結局友達の家には無事に着いた。まとまりのない文章になってしまったが一つ言うのであれば

良い子は早くお家に帰りましょう。はい。

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